成年後見制度について

法定後見制度

  1. 1裁判所が定める行為とは
    民法13条1項記載の行為の一部に限ります
  2. 2民法13条1項記載の行為とは
    1. 土地・建物を貸したり返してもらったりすること、お金を貸すこと、預貯金を払い戻すこと
    2. お金を借りること、保証をすること
    3. 土地・建物や高価な財産の売買や贈与をすること、担保権を設定すること
    4. 訴訟を提起すること、取り下げること
    5. 贈与、和解または仲裁合意をすること
    6. 相続の承認や放棄をすること、遺産分割をすること
    7. 贈与や遺贈を拒否すること、負担付の贈与や遺贈を受けること
    8. 新築、改築、増築または大きな修繕の契約をすること
    9. 5年以上の土地の賃貸借契約、3年以上の建物の賃貸借契約
      6カ月以上の動産の賃貸借契約などを締結すること

任意後見制度

任意後見契約は、本人があらかじめ選んだ後見人予定者に代わりにしてもらいたいことを決めて、公証人役場で作成する公正証書によって結ばれます。
本人の判断能力が低下してきた時期に、家庭裁判所で任意後見監督人が選任されて初めて、任意後見契約の効力が発生します。

成年後見人等の仕事

成年後見人等による支援

定期的な訪問や見守り

  • 本人との面会、コミュニケーション
  • 生活状況の把握と確認
  • 本人の家族、福祉・医療関係者からの情報収集、連携
  • 支援のキーパーソンとの打合せ、情報交換、連携
  • 本人の今後の生活を検討する関係者会議への参加
  • 本人の気持ちや要望の代弁 など
定期的な訪問や見守り

サービス利用のお手伝い

  • ホームヘルパーなどの福祉サービスに関する情報収集
  • 福祉サービス利用の選択をサポート
  • ケアマネジャーや相談支援事業所との契約
  • 福祉サービスの利用状況の把握と確認、ケアプランやサービスの個別支援計画の確認
  • 福祉サービスを利用するための施設や事業所との契約
  • サービスの不履行がないか、虐待等の被害にあっていないか等の確認
  • バリアフリー工事などの契約 など
サービス利用のお手伝い

入院・施設入所などのお手伝い

  • 病院受診や入退院の手続き
  • 病状や受診結果の把握、治療方針・治療方法の確認
  • 病衣やタオルのレンタル契約 など
入院・施設入所などのお手伝い

通帳の保管や支払いのお手伝い

  • 公共料金、福祉サービス利用料、医療費・入院費などの支払い、振り込み
  • 年金の振込手続き・受け取り
  • 高額療養費・高額介護サービス費などの還付金の手続き・受け取り
  • 入院保険などの保険金の受取手続き
  • 家賃収入や個人年金保険の年金受け取り
  • 自動引落しの契約・手続き
  • 銀行から現金の引き出し、本人への引き渡し
  • 施設や買い物を頼むヘルパーへお金を預ける など
通帳の保管や支払いのお手伝い

書類の確認と手続きのお手伝い

  • 役所や銀行年金事務所などから届くさまざまな書類の確認
  • 介護保険や健康保険などの手続き
  • 要介護認定や福祉サービス利用の手続き、障害者手帳取得の手続き
  • 通帳、定期預金証書、印鑑、保険証書、年金手帳などの保管
  • 請求書、領収証、振り込み控えなどの保管
  • 固定資産税の納付、所得税や住民税の申告・納付・非課税の申告
  • 賃貸借契約や更新、管理会社とのやりとり など
書類の確認と手続きのお手伝い

不利益な契約の取り消し

  • 本人が行った法律行為を不利益なものだと判断した際の取り消し
    • 日常生活に関する行為は、取り消しすることができません。

    例)日常生活に関する行為
    日常の食品や衣料品・家庭雑費等の購入、通常の医療費・薬品代の支払い、電車・バス・タクシー等の利用料の支払い、若干の娯楽への支払い など

    例)日常生活に関する行為とは言えないこと
    高額な物品の購入行為、クレジットカード会員の加入行為 など

  • 補助人は、裁判所で決められた行為のみ、取り消すことができます。
不利益な契約の取り消し

亡くなった後の相談・引継ぎ

  • 病院や施設等への支払いや清算
  • 相続人への財産引き渡し
  • 相続人がいない場合は、相続財産管理人選任の手続きと財産の引き渡し
  • 本人に身寄りがいない場合は、家庭裁判所の許可をもらい、火葬や埋葬の手続き(成年後見のみが対象) など
亡くなった後の相談・引継ぎ

成年後見人等の職務に含まれていないことの例

医療同意
手術、注射などの医療行為に同意すること
身元引受・連帯保証
身元引受人や連帯保証人になること
身分上の行為
結婚、離婚、遺言などを本人に代わって行うこと
介護や家事
食事、入浴、着替えなどの介助や、炊事・洗濯・掃除などを行うこと
居所の指定
本人の住む場所を指定すること